

miraDryとは
切らない多汗症・わきが治療
マイクロ波(電子レンジの原理と同じです)を用いて、ワキ汗の原因となる汗腺の大部分が存在する真皮深層から皮下組織浅層を加熱することで、エクリン汗腺・アポクリン汗腺を焼灼・凝固させ、発汗や腋臭を抑制します。(米国FDAで多汗症・腋臭症・減毛に対し承認取得、厚労省から重度の原発性腋窩多汗症に対し薬事承認取得)
皮膚にマイクロ波を照射すると、細胞内に含まれる水分子が振動し、熱が発生します。皮下組織(皮下脂肪などの層)が真皮と異なる伝導性・誘電率を持つため、マイクロ波は皮下組織で反射します。これにより、汗腺が存在する真皮深層から皮下組織浅層に温度の高いヒートゾーンを形成し、汗腺を焼灼・凝固させます。
同時に皮膚表面のクーリングにより、ヒートゾーンを真皮と皮下組織の境界付近にとどめ、さらには表皮に向かう熱伝導の影響を抑え、表皮や真皮浅層の熱損傷を防ぎます。これにより、非侵襲でありながら効果的な治療が可能になります。

ミラドライは、汗腺が存在する層を「点」ではなく、その領域一帯を加熱できること、汗腺が焼灼・凝固する高い温度での加熱が可能であることによって、非侵襲でありながら高く長期的な効果を実現しています。「点」での加熱では打ち漏れが生じる可能性があり、また、低い温度での加熱では汗腺が機能を停止するだけの熱損傷を与えることは難しいと考えられます。
他の治療法との比較
脇のボツリヌストキシン注射
汗の量を減らす効果は高く、汗を減らすことによって間接的ににおいを抑える効果もあります。
ダウンタイムはなく、手軽にできます。
最大の難点は、効果が4~9か月で切れてしまうことで、半年に1度の頻度で定期的にされる方が多いです。
定期的にやるのが面倒である、またボツリヌストキシンの注射もそれなりに費用がかかるので、もうミラドライをやってしまいたい!ということでミラドライやりにいらっしゃる方が結構多いです。
また、個人的には、ボツリヌストキシン注射のほうがミラドライの麻酔より痛いとおっしゃる患者様のほうが多い印象です。
外科手術(剪除法)
剪除法は、アポクリン汗腺を目で見てハサミで切り取る手術ですので、確実にアポクリン腺が取り除けるわきがの治療法です。
剪除法は保険適用になる場合がありますので、適用されれば自己負担額が少なくて済むというメリットがあります(※軽度のわきがの場合は保険適用にはなりません)。
ただ、剪除法で汗腺をきちんと取りきろうとすると、皮膚がどんどん薄くなっていき、血流が悪化して皮膚の壊死や感染などに繋がりかねず、逆にそういうものを防ごうとすると汗腺の取り残しが生じかねないという、絶妙なバランスが要求される手術のようです。
剪除法のカウンセリングでも100%におい(や汗)が無くなります、という説明はされないと思います。
デメリットとしては、脇に切開の傷跡が~5cm程度残ること、また色素沈着が起こることが結構あり、色素沈着は半年から1年かけて薄くしていくイメージです。術後圧迫固定や安静が必要で(クリニックによって多少異なりますが、約1週間は極力動かさない、抜糸は約2週間後など)、ダウンタイムが比較的大変であるデメリットがあります。
また、後日に計3回ほど、ドレーンの抜去、圧迫固定の解除、抜糸のために通院が必要だったりします(クリニックによって多少異なります)。
ミラドライ
切らないので脇に傷跡が残りません。
効果については、臨床試験で2年間持続することが確認されていますので、2年間破壊されていた汗腺が2年後以降によみがえるというのは基本的に考え難く、「半永久的」という言い方がよくされています。
費用は他の2つの方法より高いので、そこがデメリットではあるかとは思いますが、例えば、脇ボツリヌストキシン注射を年に2回、5年間やり続けていれば、トータルの費用としてはあまり変わらない気がします(クリニックにもよりますが)。
ダウンタイムは当日からシャワーは浴びられる、1週間後から運動も可能で、比較的軽度なものになります。
ミラドライの場合は術後特に問題なければ通院する必要はありません。
どの治療法を選ぶかは、個々人の価値観や、何を重視するか、ライフスタイルなどで総合的に決めていくことになります。
例えば、脇に傷跡が出来てもそんなには気にならなく、重度のわきがで外科手術の保険適用になり、休みもたくさん取れる、身の回りのことは家族が助けてくれる状況・・・などでしたら剪除法でよい気もしますし、
傷跡はやはり避けたい・・・であるとか、お仕事や学校などでダウンタイムはそんなに取れない、術後の通院も困難ということでしたらミラドライということでよいのではないか思います。
個人的には、その効果、通常1回で済む治療であること、ダウンタイムが軽度で傷跡もできないことなどを考えると、
総合的にミラドライはとても良い治療法だと思います。
非侵襲的な治療として、ミラドライ以外にもビューホットやウルセラ(HIFU)を使った治療がありますが、
それらの機械との比較についてはミラドライFAQのページの質問10をご参照ください。
また、重要なのが、「ミラドライ」と一口に言っても、その内容は様々です。照射回数の多い・少ない(照射範囲が広い・狭い)、使用エネルギーレベルの高い・低い、重ね打ちをする場合でもきっちり1回目の照射と同等の、完全2倍の重ね打ちをするところもあれば、2回目は真ん中だけ(つまり少ない回数)を低いエネルギーレベルで照射している場合もあると思います(時間は早く済みますが、効果としては完全同等の2倍照射より理論上は下がると思われます)。
ですので、ミラドライを選択される場合も、どのようなミラドライなのか?、その内容をよく吟味されることが重要となります。
ブログもご参照ください。(「シングル照射」といっても同じものではない?、シングル照射とダブル照射はどちらがいいのか?)
当院では、十分マージンをとってお一人お一人に合った照射範囲をカスタマイズするオプションもございますし、ダブル照射の場合は1回目と2回目は完全に同等の照射になっております。
当院のミラドライ診療の流れ
1. ご予約
WEB予約からお願いいたします。
(お問い合わせのみの場合でもWEB予約からお願いいたします。)
2. 事前にWEB問診表を完成していただきます。URLをお伝えしてから72時間以内にご記入いただきます。内容を拝見させていただき、お日にちを決めていきます。
3. 施術3日前までにミラドライの説明の動画をご覧いただき、ご覧いただいた旨をメールでご報告いただきます。
4. ご来院 医師によるカウンセリング/診察
(当院では、日々ミラドライ施術を実際に行っている医師が直接カウンセリングを行います。ご不明な点も基本的にその場で解決。)
5. お会計
6. 施術
①発汗部位テスト(オプション選択された方のみ)
ヨード液(イソジン)とでんぷん粉を使用し、汗が出てくる部位の確認を試みるテストです。
②マーキング第一段階
発汗部位テスト&照射範囲カスタマイズのオプションの方は脇毛の有毛部や発汗部位テストの結果を踏まえて、それらから十分マージンを取って照射範囲を決めていきます。十分マージンをとったテンプレートサイズを決定し、照射エリアを油性マジックで囲んで印をつけていきます。(標準サイズのテンプレート使用の場合は、標準サイズテンプレートをどこに置くか決定し、印をつけます。)

③脇の局所麻酔
ここが重要ですが、多くのクリニックさんで、脇の局所麻酔の「前」に転写シートを使ったマーキングを行っていることが多いのですが、それは古い方法です。(昔の方法がやり慣れた方法になっていたり、マニュアル化されて大勢で共有されていたりすると、なかなか改良されていない可能性がありえます。)数年前よりミラドライ社から、脇の麻酔をしてからその後に転写シートを使ったマーキングを行うようにと、施術法を改良するように通達が来ています。麻酔の前に転写シートを使って詳細なマーキングの線を書いてしまうと、その後に脇に100mlなどの結構な量の麻酔液が所々から注入されることになり、マーキングの線がいびつに変形したり、皮膚が盛り上がって線が伸びたりしてしまいます。その変形したマーキングの印に沿って照射してしまうと打ち漏れが生じかねません。当院では、改良された新しいメーカーの施術法を遵守し、先に麻酔を行ってから、その後に転写シートを使ってマーキングを行っております。それ以外にもメーカーからの改善点はあるのですが、クリニック選びにおいては、ここの手順がきちんとアップデートされているかどうか(麻酔→マーキングの順にやっているか)を一つの指標とされてもよろしいかと存じます。
また、当院では、麻酔の痛みを軽減するために、極細針とインジェクションプレートを使用しております。日本では、23Gのカテラン針(長さ約6cmの長い針)を使用されている所も結構あると思いますが、当院の30Gの極細針は細さでいうと23Gのカテラン針の半分ほどの細さになっております。ミラドライの麻酔は皮膚表面から3~4mmの深さにすることになっていますが、極細針の長さは4mmであり、それを皮膚に対して垂直に刺していくと、自動的に皮膚表面から4mmの望ましい深さに刺さり、望ましいエリアに麻酔ができます。また、プレートに5本の極細針がついており、一度に5か所同時に刺さりますので、それを10回行えば、1本の極細針を使って50回細かく刺し続けていくのと同じになります。スピーディに終わり患者様の苦痛も少ないです。(現在順次7本のものに変更していっておりますので極細針が7本の場合がございます。)
6cm位の長さのカテラン針を使って、刺したり抜いたりしながら扇状に角度を変えながら刺していく方法は昔からありますが、本場アメリカでは現在半分以上がインジェクションプレートを使った麻酔方法に置き換わってきています。当院では、この、より新しいインジェクションプレートと極細針を使った麻酔法を採用し行っております。
(※令和4年3月下旬より、在庫状況により円形の台座に針が5~7本が最初からついている商品を使用する場合がございます。国内未承認品で医師の個人輸入になります。それまでは国内承認品である円形台座に承認品の針を装着して使用しておりましたが、最初から針がついているほうが、接合部からの液漏れの可能性等を減らせると考えております。同一の性能を持つ国内承認品はありません。国内承認品である台座のみを作っている会社と同じ会社が作っている商品になります(国内承認品と型番が違うだけです)。ごくわずかに製品にニッケルが含まれている可能性があります。CEマーク、ISO13485取得)

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④マーキング第二段階
麻酔が終わったら、転写シートを使って詳細なマーキングしていきます。

⑤ミラドライ照射
転写シートによるマーキングの印や線に沿って、機械を当て、照射していきます。
麻酔されていますので、痛みを感じられることは基本的にありません。睡眠されていらっしゃる方もいらっしゃいます。(画像は70x140mmテンプレートを使用しております。)
照射の作業に集中させていただくため、2023年4月以降のご予約の方はメニューによらず全ての方に目にタオルをお掛けいたします。

⑥クーリング
照射後は、アイスパックで脇を15分間冷却します。また、ご自宅用にアイスパックを2個差し上げます。

⑦ご帰宅
所用時間は、カウンセリングなど全て含めて、広範囲ダブル照射で4時間半位、発汗テストを付けると5時間位かかります。
大して時間がかからない、素早く終わることを良しとしているような謳い文句や広告を見かけますが、1回の施術で効果を最大限に発揮するためには、じっくり時間をかけて照射することが大切ではあります。
(今後説明動画の視聴や問診表へのご記入を予めご自宅などでやっていただく方向で考えておりますので、もう少し時間は短かくなる可能性はあります。)
ミラドライ術後は外科手術で必要な圧迫や固定は必要なく、ダウンタイムによる日常生活への影響は軽度です。
いくつか注意していただきたい事項として、以下があります、ご予定等調整の上、ご予約されることをお勧めいたします。
当日は、麻酔の影響などで、自動車・バイク・自転車の運転に支障を来す可能性がありますので、運転を控えてください。(翌日以降も痛みや腫れが比較的大きい場合は、腕がスムースに動かせるようになるまで控えてください。)
3日間はシャワー浴のみにしてください。
飛行機利用や登山等の気圧の変わる場所への移動、飲酒は3日間控えてください。
激しい運動、肩のストレッチ、脇のマッサージ、重い物を持つ行為は1週間後から可能になります。
痛みや不快感がある場合は、必要に応じて治療後2-3日は数時間毎に15~20分程度冷やしてください。
不快感がなくなるまでシェービングおよび制汗剤の使用は避け、治療部位を刺激しないようゆったりとした服装を着用してください。
ミラドライの治療の効果は治療直後から実感される方が多いです。(効果の表れ方には、個人差があります。)
術後特に問題なければ後日通院の必要はございません。
術後気になることやご不明な点等ございましたらお気軽にご相談ください。
多くの方は1回治療ですが、1回目で効果を感じて2回目をされる方もいらっしゃいます。
その場合、当院では6か月後以降の施術をお勧めしております(改めて料金がかかります)。
※その他、ミラドライにまつわる諸々のことについて、ミラドライのFAQのセクションにQ&A形式で記しています。併せてご覧ください。

ミラドライのリスク・副作用
通常の経過で良くみられる症状(持続時間の目安、主な対処法)
治療部位の浮腫(1~8週間、経過観察)
治療部位の疼痛や圧痛(2~3週間、消炎鎮痛剤内服・冷却)
治療部位やその周囲の感覚の変化(1~12週間、経過観察)
注射や吸引による皮下出血(2~3週間、経過観察)
治療部位の一時的な隆起や硬化(4~6週間、経過観察)
麻酔液が浸潤することによる腕、もしくは側胸部の腫脹
(1週間、経過観察)
かなりまれな副作用(持続時間の目安、主な対処法)
治療部位の硬化(すじ状の硬化も含む)
(最大で8週間、優しいマッサージやストレッチ)
感染(1週間、抗菌薬)
膿瘍(2週間、切開排膿・抗菌薬)
腋窩の小腫瘤、小結節(2か月、経過観察)
治療肢の違和感(しびれなど)(数か月、経過観察)
1・2度熱傷(2週間、冷却・外用薬・創傷被覆)
腕・又は指の脱力(数か月、経過観察)
局所麻酔等使用薬剤へのアレルギー(反応により異なる)
など
詳しくはお問合せください。
ご注意
以下の方はミラドライをお受けいただくことができません。
心臓ペースメーカーや他の電子機器が体内に埋め込まれている方
腋窩付近に金属製のインプラントなどの金属が埋め込まれている、
刺青のある方
治療部位に悪性腫瘍、または悪性皮膚腫瘍がある方
妊娠中、または妊娠の可能性がある方、授乳中の方
以下の方は、施術をお断りする場合があります。
広範囲リンパ節郭清手術、腋窩切開による乳房再建術を受けたことのある方
痩せている方、皮下脂肪がほとんどない方
(神経が浅い部分にあるため神経障害が起きるリスクが高くなります。)
免疫力低下、または免疫抑制剤や抗凝固薬を使用しているなど、
治療後治癒過程の妨げとなる薬を服用している方
ケロイドなど、創傷治癒過程に問題のある方
肥満の方(皮膚が張り、吸引できない場合があります。)
治療部位に湿疹または乾癬、感染、できものなどの皮膚疾患やいぼ、
隆起性のほくろなどがある方
何らかの理由(治療部位に極端に凹凸があるなど)で、
マーキングしづらい方
大豆アレルギーのある方
(テンプレートのインクが大豆インクです。)
アトピー、アトピー体質の方(過去のものや、脇以外の場所を含む)
※過去に剪除法や何等かの脇の施術を受けたことのある方は個々に判断しております。
詳しくはご相談ください。

CLINIC N
不定休
基本的に月・金・土・日曜日が営業日です
診療時間:13:00〜20:00
東京都中央区銀座7-13-1
STAGE GINZA 6F
最寄り駅
銀座駅徒歩4分 (東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線)
東銀座駅徒歩3分(東京メトロ日比谷線、都営浅草線)
JR新橋駅徒歩7分
当院の施術は保険適用外の自由診療です