

CLINIC Nのミラドライの特色

miraDryとは
切らない多汗症・わきが治療
ミラドライは、マイクロ波(電子レンジの原理と同じ)を、汗腺の⼤部分が存在する真皮深層から皮下組織浅層をターゲットに「面」で照射し、約60〜70℃に加熱することで、エクリン汗腺・ アポクリン汗腺を焼灼・凝固し、発汗や腋臭を抑制させる「切らない」ワキガ・多汗症治療です。
治療直後から効果が出ます。汗腺を焼灼・破壊するメカニズムのため、長期に渡って効果が継続すると考えられています。 厚⽣労働省から重度の原発性腋窩多汗症に対し薬事承認を取得しており(医療機器承認番号:23000BZX00161000)、米国FDAからは脇の多汗症・腋臭症・減⽑に対し承認されています。

治療は、①「吸引」 ②「マイクロ波エネルギーの照射」 ③「冷却」 の3要素で構成されています。
① ハンドピースについたバイオチップで皮膚と脂肪領域を吸引して持ち上げ、ターゲット領域を固定します。
② マイクロ波を照射すると、皮膚の細胞内及び汗腺の水分子が振動・回転することで熱が発生します。真皮を含む皮膚は高含水組織で、皮下脂肪は低含水組織であり、真皮と皮下組織(皮下脂肪 等)が異なる伝導性・誘電率を持つため、マイクロ波は皮下組織で反射します。これにより、汗腺が多く存在する真皮深層から皮下組織浅層に温度の高いヒートゾーンを形成し、汗腺を焼灼・凝固させます。そのため、太っている人、痩せている人、人種の違いなどで皮膚(表皮+真皮)の厚さは多少違いますが、原理から考えれば、どの方でも真皮膚・皮下脂肪境界面にマイクロ波が作用し、有効と考えられます。
③ ハンドピース内の冷却板によって皮膚表面はコンタクト・クーリングにより冷却されます。
ヒートゾーンを真皮と皮下組織の境界付近にとどめ、さらには表皮に向かう熱伝導の影響を抑え、表皮や真皮浅層の熱損傷を防ぎます。
これらが合わさって、非侵襲でありながら効果的な治療が可能になります。
汗腺を「点」で加熱するのでは打ち漏れが生じる可能性があり、また、低い温度での加熱では汗腺が機能を停止するだけの熱損傷を与えることは難しいと考えられます。
ミラドライは、
・汗腺が存在する層を「点」ではなく「面」で加熱できること(レベル5ですと皮膚表面から約 2mm~5mmの3mmの厚さを焼くので結果的には直方体の「一帯」として焼けます。)
・コンタクト・クーリングで皮膚表面の熱損傷を防ぐため、汗腺が存在する部分では汗腺が焼灼・
凝固する約60〜70℃の高い温度での加熱が可能であることによって、非侵襲でありながら高く長期
的な効果を実現しています。
他の治療法との比較
脇のボツリヌストキシン注射
ボツリヌス菌がつくり出すA型ボツリヌストキシンという天然のタンパク質を有効成分とする薬を皮膚に注入(皮内注射)する施術です。
エクリン腺から発汗する際は、エクリン腺に接する神経末端から「アセチルコリン」をいう神経伝達物質が出され、エクリン汗腺に汗を出すように指令が出されます。ボツリヌストキシンは神経末端からそのアセチルコリンが放出されるのを抑制します。神経からの汗を出せという指令が汗腺に伝わりにくくなるので発汗が抑制されます。エクリン腺からの汗の量を減らす効果は高く、間接的に汗によるにおいを抑える効果もあります。
ワキガ臭の原因となるアポクリン汗腺への汗を出せという指令はどのような機序で行われるのか完全には解明されていないようですが、主に「ノルアドレナリン」という、アセチルコリンとは違う神経伝達物質を介して行われるとされており、アセチルコリン放出を抑制するボツリヌストキシンでは、理論的にはあまり効かないということになります。
ただし、実際にはワキガ臭にも効いている人もいらっしゃいます(個人差あり)。
ダウンタイムがなく、手軽にできます。
最大の難点は、効果が4〜9か月で切れてしまうことです。そのため、毎年1〜2回の頻度で繰り返し注射する必要があります。費用は、アラガン社100単位で7~8万円程度のことが多い印象です。
定期的な通院が面倒な場合や、長期的に見た時の費用を抑えたい場合は、ミラドライがおすすめです。
また、個人的な印象ですが、ボツリヌストキシン注射の注射針の痛みのほうが、ミラドライの麻酔の痛みより
も大きいとおっしゃる患者様が多いように思います。
外科手術(剪除法)
アポクリン汗腺を含む真皮深層〜皮下組織を直接目で見て取り除く「ワキガの手術」で、切った汗腺は確実 に取り除けます。 脇の皮膚を切開し、皮膚をめくって皮膚の内側(裏側)から汗腺を切っていきます。
汗腺をたくさん取ろうとすると、どんどん皮膚が薄くなってしまい、皮膚の壊死や感染などの合併症が起き やすくなります。
エクリン汗腺はアポクリン汗腺より浅い(皮膚表面に近い)場所にあり、上記合併症のことを考えるとエク リン汗腺を完全に取り除くのは難しく、基本的にはアポクリン汗腺を取る「ワキガの治療」になります。
多汗症診療ガイドラインでも多汗に対して勧められている治療法ではありません。
多汗には困っていないけれども、脇のワキガ臭に困っている方に合っている治療法です。
アポクリン汗腺に関しても、上記の合併症を防ごうとし、皮膚の厚さをある程度残すと残ってしまう場合が ありえ、100%取り除くのは難しいとされています。また、脇の中で治療範囲が狭いとにおいの症状が残る場合があります。
重症のワキガの場合は、保険適用になります。デメリットとしては、脇に切開の傷跡が残ること、色素沈着が起こりやすく、術後のダウンタイムが長いことなどが挙げられます。また、後日にドレーンの抜去、圧迫固定の解除、抜糸のために通院が複数回必要になったりします。
ワキガ以外にも脇汗の量にも困っている、傷跡が心配、ダウンタイムがそんなに取れない、術後固定したまま 過ごしたり、通院するのが困難などの場合はミラドライがおすすめです。
ミラドライ
切らないので脇に傷跡が残りません。
効果については、臨床試験で2年間持続することが確認されていますので、2年間破壊されていた汗腺が2年後以降によみがえるというのは基本的に考え難く、「半永久的」という言い方がよくされています。
費用は他の2つの方法より高いので、そこがデメリットではあるかとは思いますが、例えば、脇ボツリヌストキシン注射を年に2回、5年間やり続けていれば、トータルの費用としてはあまり変わらない気がします(クリニックにもよりますが)。
ダウンタイムは当日からシャワーは浴びられる、1週間後から運動も可能で、比較的軽度なものになります。
ミラドライの場合は術後特に問題なければ通院する必要はありません。
どの治療法を選ぶかは、個々人の価値観や、何を重視するか、ライフスタイルなどで総合的に決めていくことになります。
例えば、脇に傷跡が出来てもそんなには気にならなく、重度のわきがで外科手術の保険適用になり、休みもたくさん取れる、身の回りのことは家族が助けてくれる状況・・・などでしたら剪除法でよい気もしますし、
傷跡はやはり避けたい・・・であるとか、お仕事や学校などでダウンタイムはそんなに取れない、術後の通院も困難ということでしたらミラドライということでよいのではないか思います。
個人的には、その効果、通常1回で済む治療であること、ダウンタイムが軽度で傷跡もできないことなどを考えると、
総合的にミラドライはとても良い治療法だと思います。
非侵襲的な治療として、ミラドライ以外にもビューホットやウルセラ(HIFU)を使った治療がありますが、
それらの機械との比較についてはミラドライFAQのページの質問10をご参照ください。
また、重要なのが、「ミラドライ」と一口に言っても、その内容は様々です。照射回数の多い・少ない(照射範囲が広い・狭い)、使用エネルギーレベルの高い・低い、重ね打ちをする場合でもきっちり1回目の照射と同等の、完全2倍の重ね打ちをするところもあれば、2回目は真ん中だけ(つまり少ない回数)を低いエネルギーレベルで照射している場合もあると思います(時間は早く済みますが、効果としては完全同等の2倍照射より理論上は下がると思われます)。
ですので、ミラドライを選択される場合も、どのようなミラドライなのか?、その内容をよく吟味されることが重要となります。
ブログもご参照ください。(「シングル照射」といっても同じものではない?、シングル照射とダブル照射はどちらがいいのか?)
当院では、広範囲ダブル照射のメニューをお勧めしております。当院のダブル照射は選択したテンプレートの完全に2倍の数の照射をしております(さらにおまけの照射を追加したりしております)。
当院のミラドライ診療の流れ
(全工程ミラドライ認定医(院長)が行います)
1. ご予約
WEB予約からお願いいたします。
(お問い合わせのみの場合でもWEB予約からお願いいたします。)
2. 事前にWEB問診表を完成していただきます。URLをお伝えしてから48時間以内にご記入いただきます。内容を拝見させていただき、お日にちを決めていきます。
3. 施術3日前までにミラドライの説明の動画をご覧いただき、ご覧いただいた旨をメールでご報告いただきます。
4. ご来院 医師によるカウンセリング/診察
(当院では、日々ミラドライ施術を実際に行っている医師が直接カウンセリングを行います。ご不明な点も基本的にその場で解決。)
5. お会計
6. 施術(メーカー推奨の最新の手順で行っています。)
①発汗部位テスト(テストありのメニューの方のみ)
ヨード液(イソジン)とでんぷん粉を使用し、汗が出てくる部位の確認を試みるテストです。
実例写真はこちらのブログをご参照ください。
②マーキング第一段階
発汗部位テスト&照射範囲カスタマイズのオプションの方は脇毛の有毛部や発汗部位テストの結果を踏まえて、それらから十分マージンを取って照射範囲を決めていきます。十分マージンをとったテンプレートサイズを決定し、照射エリアを油性マジックで囲んで印をつけていきます。(標準サイズのテンプレート使用の場合は、標準サイズテンプレートをどこに置くか決定し、印をつけます。)

③脇の局所麻酔
ここが重要ですが、多くのクリニックさんで、脇の局所麻酔の「前」に転写シートを使ったマーキングを行っていることが多いのですが、それは古い方法です。(昔の方法がやり慣れた方法になっていたり、マニュアル化されて大勢で共有されていたりすると、なかなか改良されていない可能性がありえます。)数年前よりミラドライ社から、脇の麻酔をしてからその後に転写シートを使ったマーキングを行うようにと、施術法を改良するように通達が来ています。麻酔の前に転写シートを使って詳細なマーキングの線を書いてしまうと、その後に脇に100mlなどの結構な量の麻酔液が所々から注入されることになり、マーキングの線がいびつに変形したり、皮膚が盛り上がって線が伸びたりしてしまいます。その変形したマーキングの印に沿って照射してしまうと打ち漏れが生じかねません。当院では、改良された新しいメーカーの施術法を遵守し、先に麻酔を行ってから、その後に転写シートを使ってマーキングを行っております。それ以外にもメーカーからの改善点はあるのですが、クリニック選びにおいては、ここの手順がきちんとアップデートされているかどうか(麻酔→マーキングの順にやっているか)を一つの指標とされてもよろしいかと存じます。
また、当院では、麻酔の痛みを軽減するために、極細針とインジェクションプレートを使用しております。日本では、23Gのカテラン針(長さ約6cmの長い針)を使用されている所も結構あると思いますが、当院の30Gの極細針は細さでいうと23Gのカテラン針の半分ほどの細さになっております。ミラドライの麻酔は皮膚表面から3~4mmの深さにすることになっていますが、極細針の長さは4mmであり、それを皮膚に対して垂直に刺していくと、自動的に皮膚表面から4mmの望ましい深さに刺さり、望ましいエリアに麻酔ができます。また、プレートに5本の極細針がついており、一度に5か所同時に刺さりますので、それを10回行えば、1本の極細針を使って50回細かく刺し続けていくのと同じになります。スピーディに終わり患者様の苦痛も少ないです。(現在順次7本のものに変更していっておりますので極細針が7本の場合がございます。)
6cm位の長さのカテラン針を使って、刺したり抜いたりしながら扇状に角度を変えながら刺していく方法は昔からありますが、本場アメリカでは現在半分以上がインジェクションプレートを使った麻酔方法に置き換わってきています。当院では、この、より新しいインジェクションプレートと極細針を使った麻酔法を採用し行っております。

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④マーキング第二段階
麻酔が終わったら、転写シートを使って詳細なマーキングしていきます。

⑤ミラドライ照射
転写シートによるマーキングの印や線に沿って、機械を当て、照射していきます。
麻酔されていますので、痛みを感じられることは基本的にありません。睡眠されていらっしゃる方もいらっしゃいます。(画像は70x140mmテンプレートを使用しております。)
照射の作業に集中させていただくため、全ての方に目にタオルをお掛けいたします。

⑥クーリング
照射後は、アイスパックで脇を15分間冷却します。また、ご自宅用にアイスパックを2個差し上げます。

⑦ご帰宅
所用時間は、カウンセリングなど全て含めて、広範囲ダブル照射で4時間~4時間半位、発汗テストを付けると4時間半~5時間位かかります。
大して時間がかからない、素早く終わることを良しとしているような謳い文句や広告を見かけますが、1回の施術で効果を最大限に発揮するためには、じっくり時間をかけて照射することが大切ではあります。
(今後説明動画の視聴や問診表へのご記入を予めご自宅などでやっていただく方向で考えておりますので、もう少し時間は短かくなる可能性はあります。)
ミラドライ術後は外科手術で必要な圧迫や固定は必要なく、ダウンタイムによる日常生活への影響は軽度です。
いくつか注意していただきたい事項として、以下があります、ご予定等調整の上、ご予約されることをお勧めいたします。
当日は、麻酔の影響などで、自動車・バイク・自転車の運転に支障を来す可能性がありますので、運転を控えてください。(翌日以降も痛みや腫れが比較的大きい場合は、腕がスムースに動かせるようになるまで控えてください。)
3日間はシャワー浴のみにしてください。
飛行機利用や登山等の気圧の変わる場所への移動、飲酒は3日間控えてください。
激しい運動、肩のストレッチ、脇のマッサージ、重い物を持つ行為は1週間後から可能になります。
痛みや不快感がある場合は、必要に応じて治療後2-3日は数時間毎に15~20分程度冷やしてください。
不快感がなくなるまでシェービングおよび制汗剤の使用は避け、治療部位を刺激しないようゆったりとした服装を着用してください。
ミラドライの治療の効果は治療直後から実感される方が多いです。(効果の表れ方には、個人差があります。)
術後特に問題なければ後日通院の必要はございません。
術後気になることやご不明な点等ございましたらお気軽にご相談ください。
多くの方は1回治療ですが、1回目で効果を感じて2回目(シングルをお勧めします)をされることも可能です。その場合、当院では6か月後以降の施術をお勧めしております(改めて料金がかかります)。
※その他、ミラドライにまつわる諸々のことについて、ミラドライのFAQのセクションにQ&A形式で記しています。併せてご覧ください。

ミラドライのリスク・副作用
通常の経過で良くみられる症状(持続時間の目安、主な対処法)
治療部位の浮腫(1~8週間、経過観察)
治療部位の疼痛や圧痛(2~3週間、消炎鎮痛剤内服・冷却)
治療部位やその周囲の感覚の変化(1~12週間、経過観察)
注射や吸引による皮下出血(2~3週間、経過観察)
治療部位の一時的な隆起や硬化(4~6週間、経過観察)
麻酔液が浸潤することによる腕、もしくは側胸部の腫脹
(1週間、経過観察)
かなりまれな副作用(持続時間の目安、主な対処法)
治療部位の硬化(すじ状の硬化も含む)
(最大で8週間、優しいマッサージやストレッチ)
感染(1週間、抗菌薬)
膿瘍(2週間、切開排膿・抗菌薬)
腋窩の小腫瘤、小結節(2か月、経過観察)
治療肢の違和感(しびれなど)(数か月、経過観察)
1・2度熱傷(2週間、冷却・外用薬・創傷被覆)
腕・又は指の脱力(数か月、経過観察)
局所麻酔等使用薬剤へのアレルギー(反応により異なる)
など
詳しくはお問合せください。
ご注意
以下の方はミラドライをお受けいただくことができません。
心臓ペースメーカーや他の電子機器が体内に埋め込まれている方
腋窩付近に金属製のインプラントなどの金属が埋め込まれている、
刺青のある方
治療部位に悪性腫瘍、または悪性皮膚腫瘍がある方
妊娠中、または妊娠の可能性がある方、授乳中の方
以下の方は、施術をお断りする場合があります。
広範囲リンパ節郭清手術、腋窩切開による乳房再建術を受けたことのある方
痩せている方、皮下脂肪がほとんどない方
(神経が浅い部分にあるため神経障害が起きるリスクが高くなります。)
免疫力低下、または免疫抑制剤や抗凝固薬を使用しているなど、
治療後治癒過程の妨げとなる薬を服用している方
ケロイドなど、創傷治癒過程に問題のある方
肥満の方(皮膚が張り、吸引できない場合があります。)
治療部位に湿疹または乾癬、感染、できものなどの皮膚疾患やいぼ、
隆起性のほくろなどがある方
何らかの理由(治療部位に極端に凹凸があるなど)で、
マーキングしづらい方
大豆アレルギーのある方
(テンプレートのインクが大豆インクです。)
アトピー、アトピー体質の方(過去のものや、脇以外の場所を含む)
※過去に剪除法や何等かの脇の施術を受けたことのある方は個々に判断しております。
詳しくはご相談ください。

CLINIC N
院長 小川 直美 医学博士
不定休
基本的に月・金・土・日曜日が営業日です
診療時間:13:00〜20:00
〒104-0061 東京都中央区銀座7-13-1
STAGE GINZA 6F
最寄り駅
銀座駅徒歩4分 (東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線)
東銀座駅徒歩3分(東京メトロ日比谷線、都営浅草線)
JR新橋駅徒歩7分
当院の施術は保険適用外の自由診療です