多汗症外用薬エクロックゲル販売開始のようです CLINIC N東京銀座脇汗多汗症治療

原発性腋窩多汗症の外用薬「エクロック®ゲル5%」が発売開始されたようです。

保険診療の皮膚科で処方していただけます。

(恐れ入りますが、当院では現時点で取り扱いがございません。)


メカニズムはやや難しい話になりますが、

有効成分は抗コリン作用を有する物質で、

多汗症の原因となるエクリン汗腺のムスカリン受容体と結合することによって、

アセチルコリン(神経伝達物質ー発汗せよという指令のようなものです)がムスカリン受容体に結合するのを阻害し、発汗を抑制するメカニズムのようです。

エクリン汗腺は主にコリン作動性とされており、それをブロックするので、エクリン汗腺には効くと思われますが、アポクリン汗腺は主にアドレナリン作動性と言われており、アポクリン腺に対する直接的で大きな効果はあまり期待できなさそうです。(ただ、脇のボトックスも間接的ににおいにある程度効果がありますので、間接的な効果はある程度期待できるかもしれません。)


添付文書上に載っている治験についての記載を引用してみますが、

「第Ⅲ相比較試験 

HDSSが3以上かつ各腋窩の発汗重量がともに50mg以上の原発性腋窩多汗症患者(13歳~72歳)を対象に、本剤又は基剤を1日1回左右の腋窩にポンプ1押し分ずつ6週間塗布した。 

主要評価項目(治療終了時のHDSSが1又は2であり、治療終了時の両腋窩合計発汗重量のベースラインとの比が0.5以下の被験者の割合)は本剤群で53.9%(76/141例)、基剤群で 36.4%(51/140例)であり、本剤で有意(p=0.003)に高値で あった。 」

とのことです。

ちなみに「基材」とは、薬から有効成分を除いたゲルの部分だけです。


HDSSは多汗症の重症度スケールのことで、3以上が重症とされています(こちらのブログもご参照ください)。

この治験では重症の方が、重症でなくなった割合を見ているようです。

また、汗の重量も測って半分以下になった場合という条件もついてますが、

両方満たした方の割合が、薬品群では53.9%で、基材群(有効成分を除いたものを塗った群)では36.4%で、統計学的に見て、たまたま起きた差とはいえない明らかな差があったというものです。


詳細な論文を読んでいない状態での感想ですが、

逆に、この外用薬を塗っても残りの46%の人は重症のまままたは汗の減少がそれほどでもなかったのかという疑問と、

有効成分が含まれていないゲルだけ塗った群でも36%もの人が改善されちゃったのか?

という疑問です。

被験者の方はどちらを塗られているのか分からない状態ですので、有効成分が入っていなくても何か塗ってるので効果があると思い込んしまうプラセボ効果の可能性があると思います。あと、ゲルに入っているアルコールのせいで清涼感があったせいではないかということのようです。

発汗は精神的なものからくる部分もありますので、変わり得るとは思いますが…。

(脇ボトックスの臨床試験の場合、4週間後の発汗重量が50%以上減ったのは、ボトックス群で96.2%(75/78人)、プラセボ群で45.9%(34/74)で、脇ボトックスの臨床試験でもプラセボ群で結構改善は見られているようです。発汗というのは精神的な部分も結構占めているのかもしれません。)


エクロックゲルの副作用発生頻度に関してですが、6週間の治験では16.3%(23/141例)で、主な副作用は、適用部位皮膚炎6.4%、適用部位紅斑5.7%及び適用部位そう痒感2.1%、とのことで、

6週間の治験後、続けて52週間塗布した場合の副作用発現頻度は42.2%(78/185例)で主な副作用 は、適用部位皮膚炎27.6%、適用部位湿疹7.0% 、適用部位紅斑5.9%、適用部位そう痒感3.2%、散瞳1.6%及び霧視0.5%だそうです。


ミラドライの治験は条件ややり方が全く違うので比較は全くできませんが、一応記しますと

HDSSの数値だけでいうと、スコア3以上の31人の治験で、ミラドライ施術後12ヵ月目のフォローアップ来院では、90.3%がHDSSの1または2のスコアを示したというものでした。


「エクロック®ゲル5%」は新薬で、処方制限があり、発売後1年間は14日間分ずつしか処方していただけず(治験で分からなかった副作用が販売後に分かるかもしれないので大量には処方できない)、1本で2週間もつようですので、2週間に1回受診し1本ずつ処方してもらう形になるようです。

1本4874円で保険で3割負担でしたら1462円程度でしょうか。1年間で3万9千円程度なのかと思います。

(ただし、保険診療だからということだと思いますが、HDSSスコア3以上の原発性腋窩多汗症という診断が下されないと処方してもらえないようですのでお気を付けください。)


1年に約2回のボトックスですらずっと行くのはめんどくさいということでミラドライをされにいらつしゃる患者様も結構いらっしゃいますが、より頻繁な通院回数となるとどうなるのか、またその効果がどのくらいなのかも含め見守っていきたいと考えております。

脇汗でお困りの方により多くの治療の選択肢が出来るのはとてもいいことだと思います。

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